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  • 執筆者の写真籠師会

久里浜・網屋丸さんで久々のマダイ船釣りを堪能。予想外の超高級魚現る!?釣果編。



 このご時世で思うように釣りに行けない中、色々な方法で魚にアプローチする方法を考えたのだが、最善と言うべき方法が見つからなかった我々は最終的な手段として“オフショア”という結論に至った。


“至った”という結論の道中には様々な葛藤があったことは想像に難しくないが、座して待つしか・・・と、受け入れるには甚だ煩悩多きシーズンだったことは言うまでもない。


ホームである伊豆大島の来島自粛も6月19日を目途に解除の意向を示しているが実際に解除に至るかどうかはその日になってみないと判断が付かないため、我々の釣行計画もその日を境に判断せざる得ない状況なのである。


そんな中飛び込んできた予想外のオフショア計画はまさに、救世主と呼ぶにふさわしい砂漠のオアシス的アビリティだったに違いない。


しこうして我々は粛々と、いや実に興奮気味に、半ば強引にオフショアというワードに過剰反応をしめしていたのである。


オフショアなんて言い方をするとなんだ気取っているんじゃないかとか、シティ派なんじゃないかとか色々なやっかみが飛んできそうだが、ようは船釣りなわけで、釣り人をアングラーんなんて洒落た呼び方をする輩とそう大差はない。


ヨクワカラナイ横文字用語を用いることによって謎の信憑性やマニアック感を演出したがる輩にとっては好都合のワードっぽいが、そこらへんで釣りをしている若者やおっさんにオフショアだのアングラーだの言ったって何が何だかワカラナイんだから。


「本日オフショアではアングラー達が様々なターゲットを狙って各々のタックルでアタックを試みていますよ。」なんて言い方しちゃったら、キッ!ってなるじゃない。


「本日、釣り船では釣り人達が様々な魚種を狙って各々の仕掛けで釣りを楽しんでいますよ。」と最後意訳気味で言ったっていいじゃない。


ま、そんなことにイチイチ目くじら立てているのはワタシだけかもしれないが・・・





 

 はてさて、船釣りの釣りモノなんてものに吟味しだしちゃうと後が無くなっちゃうんだけど、キスとかカサゴは前シーズン堪能していたからここはひとつ大物一本狙いでいこうかと話をしていたらあれよあれよという間にマダイになってしまった。


マダイってなんかこう釣れたらもう過去のことは水に流そうじゃない、心機一転いこうじゃないっていう起爆剤みたいな効能があるでしょ。


だからこれはもうマダイだ、マダイの他に釣りモノは考えられないよ!と目を血走らせながら乗合い船に予約の電話入れちゃってたよね。


今回我々がお世話になったのはマダイで有名な久里浜・網屋丸。







久里浜の釣り船屋が立ち並ぶ一角にある網屋丸の船着き場。


HPから出船確定の情報を目にしていたし、事前キャンセルの連絡も無かったから意気揚々と向かったんだけど、どうもう朝から天候が優れずどんよりとした雰囲気。


乗合は我々を含めて6名と少数精鋭での参加となった。







船から見た釣船屋の店舗の並び。一番左が網屋丸の店舗だ。


ポツポツと小粒の雨が降り注ぐスタートだったが、炎天下より涼しくて釣り日和なんじゃないかと思い始めていた。


今回同席した船釣り初挑戦の同伴もカッパに身を固め、出発を今か今かと待ち望んでいた。







3時起きだったこの日、酔い止めの副作用もあったのか常に眠気が襲っていたワタシはいたるところで意識を失っていたという。


しかし釣り船の装備を何一つ用意しておらず、手ぶらレンタル装備で船に乗り込んだワタシは実に浮いていたことだろう。


鮮やかな黄色のフローティングベストはサイズがあっておらず前のチャックが全て締っていない。







仕掛けはオーソドックスな電動リールとビシカゴ天秤仕掛けで、ハリスは7m~10m。


カゴを底に落としてからハリス分巻いて、付け餌をべた底にはわせるように流すのが今回の釣り方となる。


ちなみにワタシが準備したことと言えば竿置きに竿を置いたのみで、何から何まで船頭さんに任せっきりだったな。


船は6時少し手前になると停泊港を出発し、最初のポイントへと向かった。


風は微風で波やうねりも無く好条件だった。







強力なエンジンでグングンと沖に進む網屋丸。


久里浜の景色があっという間に小さくなっていく。







しばらく進むと左前方に以前遠投カゴ釣りで渡船したアシカ島が見えた。


アシカ島でも体験済みだが、ここいらの潮流は本当に速く遠投カゴ釣りではウキと仕掛けが一瞬で流されてしまい釣りにならなかった記憶がある。


アシカ島を北東に進んだところで船はとまり、本日の初ポイントとなった。


電動リールに慣れていないため、手こずりながらのスタートとなったがいざ仕掛けを投入するともはやワタシの脳内はマダイで埋め尽くされていた。


棚は40mからハリス7mを浮かせた32m前後に設定し、あとは竿先でアタリを待つ。


微細なアタリも逃すまいと竿先に神経を集中させていたが、まわりはそんなに意識を集中せずゆったりとやっていたから間が抜けたようになってしまった。


仕掛けを投入して5分前後コマセを効かせ、反応が無ければ巻いて再度投入するという流れだ。


ウキが無くて、投げない遠投カゴ釣りをずっとやっているような印象だった。


合間にしゃくりを入れてやると誘いになると聞き、必要以上に誘いを入れて見たが反応らしき反応は無い。


しばらく仕掛けを投入していると同伴がカゴより小さいカサゴをあげたが、あげたというより付いてきたというほうがしっくりくるサイズだった。


このポイントは大型が出るのかしばらく粘っていたが、乗合い中誰も反応が出ず、船長の合図で仕掛けを仕舞い、別のポイントに移動しはじめた。


先ほどのポイントからさらに北東に進んだポイントで若干深めの棚で仕掛けを流し始めた。


酔い止めの効果で船の揺れが心地よさに変化していたワタシの眠気はここにきて強さを増し始めていた。


なんでもいいからアタリが出れば眠気が飛ぶものの、無情にもワタシの竿はおろか他の乗合いの竿にもアタリは出なかった。


しびれを切らした船はポイントの移動を決意し、このポイントを去るとエンジン全開で走り出し、内房のほうが近いんじゃないかという沖合まで出ると船を止めた。


船長の指示を聞くなり耳を疑ってしまったが、どうやらこのポイントではマダイは狙わないらしい。


上から15mという指示を聞くからには中層のサバとかアジ狙いかな?なんて思っている矢先にすぐ同伴の竿にアタリが出たようだ。


竿先をバシバシと叩くようなあたりで、釣り船初挑戦だった同伴はテンパりながらも仕掛けを巻いていた。


巻くのは電動リールだから、カゴを回収して手でハリスを手繰り寄せるのがこの釣りの醍醐味なんだろうなと手解きしていると、思っている以上にデカい魚影が姿を現したもんだから驚いてしまった。


上がってきたのは目をひん剥いてしまうほどの良型のアジで、尺とかそんな枠をとうに通り越した大アジだった。







ワタシの小指から親指までが22cmだから、ゆうに44cmオーバーだね。


デカアジをお土産にできればまぁマダイは出なくても・・・なんて客の思惑を汲んだ網屋丸の粋な計らいに便乗してここぞとばかりにアジを狙おうと躍起になったもののワタシの竿にはなかなかアタリがこない。


潮が速くて船尾から船首にいる人と仕掛けが祭るような状態だったから竿先のアタリが魚のアタリなのか半信半疑で諦めかけていたんだけど、巻いてみたらこれまた大きなアジが付いていたから驚いてしまった。


しかしこのポイントでアジの釣果が賑わいをみせるなか、ワタシの竿に思いもよらぬ超高級魚が当ろうとは誰も予想していなかっただろうな。


オオアジを土産に丁度いい量確保して満足していたワタシはもうアジはいいんじゃないかと思いはじめている最中だった。


ツンツンと竿先を叩き、竿が曲がり込むこれまでとは違うアタリ。


ハリスが他の人と祭ったか・・・と電動リールを巻いているとお祭りやアジとは違った重みが竿にのった。


ハリスをたぐると確かに魚の反応があったので船頭さんも訝し気に様子を見守る形でハリスをたぐっていくと全く予想外の魚影が浮いてきたのでアッとなってしまった。


その魚影はワタシが離島で外道としてよく目にする魚体とそっくりだった。


最初はサイズもサイズだしイシガキフグかなと思っていたが、タモに入って手前によってくるなりそれが良型の超高級魚であることに気づいてしまった。







これが食通をもうならせるという超高級魚トラフグかぁ。


60cmを超えた魚体はでっぷりと太り2kgにせまろうかという良型であった。


ただ釣ったはいいけど、自分で捌けないしどうすりゃいいんだろコレ・・・


船頭さんの話では自分で捌くことはできないから、どこか捌いてもらえるところに持って行って捌いてもらうしか方法はないとのこと。


一瞬リリースという考えもよぎったが、キロ1万円を超えることもある超高級魚をその時の安易な判断でリリースするのは非常にもったいない気がする。


ワタシはとりあえずそのトラフグを生簀に放り、どうするかの判断を後回しにすることにした。


生簀で活気を取り戻したトラフグはアジよりも鮮度を保ちつつ最後まで元気に生簀を泳ぎ回っていた。


今回釣ったトラフグの顛末は調理編として次の記事で書こうと思います。


~“釣れたトラフグの行方と顛末。捌いてもらうことはできるのか?船釣り調理編”~


をご期待ください。




その後お土産アジポイントでアジ釣りを経由した網屋丸は元のアシカ島近辺のポイントに戻り、本命のマダイポイントへと舵を取った。


結局このポイントでは同伴と合わせてオオアジ6枚にトラフグを追加する釣果となった。


お土産ポイントから大分元に戻り、最初のポイントから更にアシカ島に近づいた船は棚を50mと本日最深となるポイントで再開する形となった。


アジとトラフグで満足してしまったワタシの眠気はここでマックスを迎え、仕掛けを流している最中意識を失っている頻度が多くなっていた。


同伴にも疲れの様子が見え始めていたが、それを目覚めさせるアタリは未だに無い。


網屋丸は探り探りという感じでポイントをおさえては次のポイントへと繰り出し、4回ほどポイントを変えたところで最終ポイントを迎えた。


ここで全ての付け柄とオキアミを消費しようと同伴のハリに付け柄を6枚掛けするという荒業に打って出たワタシはもうマダイへの興味を失っていたのかもしれない。


しかしこの荒業が船中をザワつかせる事態になろうとは・・・


マダイへのアピール力が足りないから釣れないのではないかと、実に安易な6枚掛けなどという荒業は狂暴な生物にアピールするにはもってこいの材料だったのだろうか。


投入後、同伴の竿が大きくしなった。


船全体がマダイへの熱意を失い始めていたころ合いだったから、船中の視線が一気に同伴に向いていたことだろう。


しかし同伴の糸の先に付いていたものがハリスをたぐってあげられるようなシロモノではなかったからその落胆ぶりは大きかった。


ここでサメがかかるとは・・・


たぐる途中で切れちゃったから写真には納められなかったが、ドチザメかなにかかな。


このサメのアタリを境にアタリが出ることはなくなり、やむなく納竿となった。







アシカ島付近の最終ポイントを後にする網屋丸。


この日マダイが姿を現すことは無かった。





 マダイの姿を見ることは出来なかったが、45cmクラスのオオアジと40オーバーのアジを6枚、更に超高級魚トラフグを加えた釣果となった。


トラフグ次第ではマダイと同等、いやマダイを超える釣果になるのでは。


船着き場に戻った我々はこの後、釣れてしまったトラフグの始末に苦悩することとなるが、その顛末は次の記事に記そうと思います。



6月19日の伊豆大島来島自粛が解除され次第、遠投カゴ釣りを再開できる日を楽しみにしている昨今であります。



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