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執筆者の写真籠師会

日立自動車教習所(小平)の閉鎖で思うこと・・・



日立教習所でお世話になったのは大学生の頃で、通学用の普通自動二輪免許小型限定(MT)免許取得のために通ったのが最初だった。


その後、限定解除、大型自動二輪、普通自動車と4度もお世話になっていた。


国分寺から小平へ抜ける西武線と並行する道路沿いにあって、そっちのほうに行くときはチラッと横目で通り過ぎることが多かった。


五日市街道と西武線の踏切の交差点の待ちが面倒なときは日立教習所を周回する感じでグルっと回ると近道だったりしたから、それなりに目にする機会は多かった。


最近何気なしにそのルートを通ったら、あのだだっ広い敷地の教習所が閑散としていたから驚いてしまった。


ひょっとして、と思ってHPに行ってみたら「 平成30年12月15日(土)を持ちまして、閉鎖いたします。 」というお知らせがあったから正に秋風落莫の思いだった。


年々若者が乗り物への興味を失いつつあるなかで、少子化問題が拍車をかけ、教習所の入所率は右肩下がりに落ち込んでいることは言うまでもないが、こうして身近なところで影響が目に見えてしまうとその問題を痛感させられてしまう。




 わたしが当初入所したのは、普通自動二輪免許小型限定(MT)取得のためという、なぜほとんど同じ料金なのに普通自動二輪免許を取らなかったのか、と突っ込まれそうなレアな免許区分だった。


ATならまだしもMTだからね。


教習用に使われていた車両は、明らかに開所当時に採用したと思われるホンダCB125Tだった。





ホンダが発売を開始したのが1964年のことで、その後運転免許制度の改正でこのモデルが着目されて教習車仕様なんてのも出回っていたらしいからそれなのかな?


自分が乗る時にも採用されていたんだから、それはそれは年季が入っていて、エンジンもゴトゴトいっていたし、エンジンフィーリングもまばらだった。


原付で2stと4stのMTに乗っていたからある程度のエンジン特性は分かっていたんだけど、4stなのに2stかってくらいアクセルの反応がピーキーだったんだよね。


かなりシビアにアクセルワークしないと、急にグンッて加速したりするから多分初めてMTのバイクで教習に来た人なんかは結構手こずった車両なんじゃないかな笑


老体に鞭を打って走っているから、こっちもいつ壊れるかわからない不安に駆られながら走っていて、急制動なんて恐怖倍増だったし、急制動で転倒したと思われる傷もエンジンガードにがっつり入っていたからそれはそれは恐ろしかった。


ハンドルにクセがある車両も多かったから一本橋なんて正に“芸当”だったんだよね。


ド初心者にこれで教習させるのもどうかなとは思っていたんだけど、車両の当たり外れが大きいらしくて、当たりを引くと乗りやすいバイクだった記憶がある。


この老体バイクに鞭を打っていたのは我々教習生だけではなくて、整備士のおやっさんも同じだったはず。


二輪教習の待合所の横にガレージが併設されていて、整備士のおやっさんが一人?でバイクの整備を手掛けていた。


自分が二輪教習を受けて、最後に普通自動車を受けた時にもいたから長くそこで整備を受け持っていたのではないかと思う。


教習中もトンカントンカンいってたし、教習コースの脇にあるから、教習中にチラ見することが多かった。


教習車として日々酷使されている車両を、次にはしっかりと乗れるように整備されていたおやっさんの功績は大きいし、あれだけ年季の入ったCB125Tを採用し続けられるのはおやっさんの腕があってのことだったのだろう。


教習車にBMWやハーレーの新型モデルを集客商品かのごとく採用する教習所もある中で、同じ車両を長年採用し続ける日立教習所の姿は、集客商売より実学に即した教習を教えるという本来あるべき教習所の姿だったのかなぁと思う。


小型限定を取得してから限定解除という形で、普通自動二輪を取ったのだが、時期的にほとんど開きが無かったのはすぐにステップアップしたくなるほどバイクにのめり込んでいたから。


教習車はCB400SFのインジェクションになる前のキャブ車だったと思う。





確か青だったと思うんだけど、CB125Tの印象が強くて記憶が定かではない。


大型自動二輪はCB750の赤白だったかな。


ここらへんのモデルはクセも無く年式も古くないし乗りやすかったから、すんなり乗れてた気がする。


この前にどんな車両を採用していたのか気になるが、今となっては分からずじまいである。





 大型自動二輪試験の日に3人の受験生が集まったのだが、その一人が小型の検定できていて、検定車にあのCB125Tに乗車していたんだよね。


なんか乗る前から緊張していて、プルプル震えていたから心配だったんだけど、案の定急制動で大クラッシュしていた。


後輪が浮いたかと思ったら、前輪が滑ってそのまま身を乗り出すように前方に放り出されていた。


腰からいったようで擦り傷程度で済んだようだが、あのCB125Tはその後廃車になってしまったのだろうか・・・


クラッシュ後に戻ってきたとき申し訳なさそうに「すみません」って頭下げてきたもんだから、こっちは「え?」ってなってしまったんだけど、よくよく聞いたらなるほどと思ってしまった。





~この後に検定試験が控えているのに恐怖心を与えてしまって~






本来であれば自分の怪我を心配し、検定に落ちたことへの悲観に陥るのが普通であるというのに、この後の検定を控えた我々に対する気持ちへの配慮への気配りができるとは・・・


いやぁよく出来た人間だなぁと感心して、こっちも「いやぁ、全然気にしないでください、それより怪我の方は大丈夫ですか?」なんてしんみりした空気になっていたんだけど。


ふっと、この人一生検定受からないんじゃないかという疑念がふつふつと沸いてきて、その後顔を直視することが出来なかった・・・・


ちゃんと免許取れてるといいんですが。




 日立自動車教習所の閉鎖を聞いて、色々と思うことがある人は結構多いと思う。


長年地域に密型でイベントなども開催していたし、教官の教え方も非常に身に入ることが多かったから今でもその教えが運転中にフッとよぎることがあったりする。


教習所の教えというのはえてしてそういうものなのかもしれませんが、単に免許取得としての通過機関だけにはとどまらない何かが日立自動車教習所にはあった気がするんですね。


それだけに自分は印象強く記憶に残っていたので、閉鎖ときくと感慨深い思いでいっぱいなのであります。


あの敷地を通った時に日立自動車教習所の名前を思い出して、わたしのブログに足を踏んでくれる人がいたら嬉しいなぁ。






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