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ナイフ好きの人間でもその名を知る者はほとんどいないアメリカカスタムナイフメーカーの一つにリャンマー・デザインがある。

ナイフ好きの人間が立ち上げているのにその名が知られていないのはなんとも皮肉な話であるが、知る人ぞ知っていればそれでいいと思う。

リャン・マーというのは中国人ナイフデザイナーで、長らくCRKT(コロンビアリバー)のデザインを手掛けていた人物である。

CRKTやReate Knivesの製品群を眺めていると彼がデザインしたナイフをいくつか発見することができる。

頭がつるっぱげのいかにもお金を持ってそうな中国人富豪のようないでたちをしているのだが、実用的な中にもしっかりとしたコンセプトに基づいたデザインを内包させた繊細なデザインをする方なのですよ。

彼の手掛けるナイフは基本的にチタンを用いたフリッパータイプが多く、わたしが見逃すわけにはいかなかったのであります。

品質の高さもさることながら”ナイフらしいナイフ”のデザインで自分の中でそのデザインがスタンダード化してしまう魅力があるんですね。

ナイフと言ったらこれじゃないかな!なんて意気揚々と名前出したところで誰も知らないから軽くあしらわれて肩身の狭い思いするんですが・・・

ともあれわたしが手にしたナイフはまんまと自分の中でスタンダード化してしまったのであります。

LIONG MAH DESIGN SDC

$350=¥39.000円​​

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全長21.3cm 刃長9.4cm 刃厚3.9mm

フレームロックタイプのフリッパーオープンでブレード鋼材は高級鋼材CPM-S35VN。

一見特徴が無さそうに見えるシンプルなチタンハンドルだが、表面に細かい刻み模様が入っており滑りを抑制している。

モデル名のSDCはSLIM DAILY CARRYの頭文字からきている。

どうですこのシンプルでいかにも”ナイフっぽいナイフ”のデザイン。

この世の全てのナイフを足していって平均をとったらこの形になるんじゃなかろうか。

 

正にナイフ好きのナイフ好きによるナイフ好きのためのナイフって感じがするでしょう。笑

普通フリッパータイプのフォールディングナイフだとクローズしたときにハンドルから指で押し込むフリッパー部が結構出るものなんですが、SDCは極力ハンドルデザインを重視して抑えめにしてある。

またフリッパーがフィンガーガードになったりもするんですが、SDCはハンドルと同化したデザインになっている。

​気づきにくい点ですが計算されつくした実用的なデザインに引き込まれる魅力を感じます。

フランスの哲学者ベルクソンが人間を道具をつくる存在としてホモ・ファーベル(工作人)と唱えたように人間は道具という実用性と共存する中で道具に美的センスを見出してきました。

リャン・マーの手掛けるナイフにはそういった実用性美的センスの片鱗が垣間見れるんです。

​このナイフにDAILY CARRY、”日々持ち歩”くという意味合いを込めたのは彼の意図するところだったのでしょう。

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