SHURE

SRH-1540

密閉型

 重量:286g

インピーダンス:46Ω 再生周波数帯域:5Hz~25kHz

​¥59.184円

世界初のニュース誌として知られるアメリカTIME誌が発表した、世界ヘッドホンメーカーの音質ランキングが発表されたのが2016年のことである。

マイナー過ぎるメーカーはエントリーされていなかったが主要なヘッドホンメーカーはほとんど網羅されていた。

評論家や各媒体を調査し、数値化した上でランキングとして発表したのが以下の通りだ。

SUPER SONIC(完璧な音)

1位 SHURE 得点90

2位 GRADO 得点89

3位 KLIPSH 得点84

SOUND GREAT(非常に良い)

4位 PIONEER 得点83

5位 SONY 得点80

6位 AKG 得点79

SOUND GOOD(良い)

7位 SENNHEISER 得点78

8位 JVC 得点75

9位 AUDIO TECHNICA 得点74

UNSOUND(音とは呼べない

10位 PANASONIC 得点74

11位 APPLE 得点74

12位 BOSE 得点73

​というランキングだった。

3位以下は僅差であるのに対し、2位以上は数値を大きく引き離していることを考えると、SHUREとGRADOはずば抜けて評価が高い得点であることが分かる。

ちなみに3位までのメーカーは全てアメリカの会社である。

AKGをおさえ、国産SONY、PIONEERが上位に食い込んだのは喜ばしいことだったが、それにもましてSENNHEISERが7位にとどまったことは意外だった。

音とは呼べないという汚名を着せられてしまったBOSEは意外に思われるかもしれないが、個人的にはうなずける順位だった。

ちなみにまだ下に評価圏外という欄も存在し、昨今流行してきたBEATSなどのメーカーも見られた。

KLIPSHを大きく引き離し一位に輝いたSHUREは、音からはじまり音を知り尽くした音響専門メーカーならではの結果だったと言っていいだろう。

そんなSHUREから誕生した密閉型最上位フラッグシップモデルに位置するSRH-1540は正にランキング評価の基点となったモデルであろうことは言うまでも無い。

SHUREはプロスタジオ録音のド定番だったSM58で古くから親しみがある人が多いかもしれないが、イヤホンやヘッドホン業界に参入したのはそこまで早いものではなかった。

ヘッドホンにおいては業務用の製品はあったが、よりコンシューマー向けを意識した製品群を発売したのは2009年のことだった。

SHUREのヘッドホンはSRHシリーズと呼ばれ、密閉型のフラッグシップがSRH-1540、開放型のフラッグシップがSRH-1840というランナップだった。

音響を知り尽くしたメーカーだけに、ヘッドホンの評価が(完璧な音)と評されることは特段不思議な結果ではなかったが、他を圧倒して評論家たちの評価が高かったことは単に音質がフラットであるという単純な理由ではないと思う。

音響以外に必要ないものを排除し、プロスタジオユースにも対応できるように徹底的に軽さを追求したデザイン。

​ハウジングには軽量で耐久性のあるカーボンがもちいられ、アーム・スライダーは一体型のアルミが用いられている。

ヘッドバンドも大幅に肉抜きされていて、軽量化に一役買っている。

一見すると実用性を重視しすぎているようにも見えるが、パッドはスーパーカーのシートなどに用いられるアルカンターラ素材を用いることで快適性を確保している。

こういった仕様は各メーカーのスタジオモニター向けの製品群と比べると、よりコンシューマー向けに味付けしたと思われるSHUREの方向性が垣間見れる。

肝心の音質であるが、基本的にはスタジオモニターを思わせるフラットな味付けで、ピュアオーディオ向けのヘッドホンやDJ用のヘッドホンのような特質した特徴は無いように思われる。

中高域に温かみがあり、高音が刺さるようなところまで出ている感じはない。

一つ一つの音の粒立ちがよく、しっかりと音が分離しているから音の輪郭がつかみやすく、どのジャンルの曲でもしっくり聞くことができる。

低音は必要十分なレベルまで出ており、本当に音源に素直なヘッドホンという印象だ。

素直すぎる反面、他メーカーのヘッドホンを聞くと違和感を感じてししまうことがある。

その違和感は原音に「癖」がついていたものだということに気付かされる。

このヘッドホンがいかに原音に忠実に鳴っているかハッとしてしまう瞬間があるのだ。

ただ「癖」というのは「味付け」であって「面白み」でもあり、それは音楽のジャンルによってはその音楽を際立たせる役目を果たすものであるといっていい。

ボーカルに艶をのせたり、低音を強調したり、というのは一種の「癖」であり、「味付け」なのだ。

その癖はメーカーによって違い、その「癖」の趣向というのも人それぞれなのだが・・・・

 

ただもしこのヘッドホンによって原音の忠実性を垣間見ることができたのなら、それこそがこのヘッドホンの凄さだということに気づいて欲しい。

​自分の中でその音質がスタンダード化してしまうSHUREの味付けは、正に評論家たちがSUPER SONIC(完璧な音)と評した所以なのかもしれない。

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