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執筆者の写真籠師会

アシカ島(久里浜)で両軸遠投カゴ釣りってどうなの!?




城ヶ島前哨戦でまさかの財布紛失というテンションダダ下がり気味の雰囲気を残しつつ我々はアシカ島(久里浜)釣行当日の朝を迎えた。


モチベーションは沖磯なら釣れないはずはないというなんの根拠もない自信によって保たれていたが、実に脆く危ういものであることは言わずもがなだった。


暗雲立ち込める中渡船である丸清丸の駐車場につくとすでに先着の常連らしき釣り人の姿がちらほらとみられた。





渡船のシステムについて疎い我々は船長らしき人の言われるがままに、他の釣り人の迷惑にならないように、なんともこじんまりと渡船の荷物を船に運び始めた。





それにしても渡船て怖いんだよね・・・荷物投げるとか言うし・・・。


もうね大事にしてるロッドとか投げたり踏まれたりするんじゃないかっていう不安が凄くて目につかないところに荷物置きたくないんだよね。


この日の乗合人数は我々(3人)を含め13人程度とそこまで多くは無いようだったが気が抜けない。


わたしはロッドケースの置き場に並々ならない神経を使いつつ船に荷物を積み込んだ。





いやぁしかしこんな無造作な置き方では・・・・


しかし常連らしき釣り人の装備はがまかつやシマノのフローティングベストでかためてるっていうのに我々の装備は実に初心者染みて浮いてたんだよね。





普段フローティングベストなんて着ないから急遽アマゾンで購入した激安フローティングベスト。


迷彩柄も相まってまるで防弾チョッキのようだが気にする必要はない。


ミヤナガ氏も前日に急遽フローティングベストを調達していたようだが、我々はそこで“GETT / ゲット”という謎の激安釣り用品ブランドを知ることとなった。


埋め合わせの品など激安でいいのだが、見回すと意外とこのGETTなるブランドの製品をよく目にすることになったので値段の割にクオリティが高いのではないかと思うようになった。


うん、悪くない“GETT”。



そうこうしているうちに船のエンジンがかかり船がアシカ島に向けて走り出した。





狭い水路を進み大海へと繰り出す。


否が応でもモチベーションは上がってくる。





後で判明したのだが“GETT”のフローティングベストだったOKN氏が指さす先に目指すアシカ島が見える。


途中沖堤防で6人ほどを降ろし、船は予定通りアシカ島へと向かった。





沖にポツリと存在するアシカ島。


20分もかからないうちにアシカ島に到着したが南風が強いため写真右手の灯台側の島には渡れないようで左手の海象観測ステーションのある側の島に接岸した。





わたしとミヤナガ氏は先に島に渡り、OKN氏から荷物を受け取る。


足場はしっかりとしていて、波も無くスムーズに渡礁できた。


初アシカ島でもたつくであろうことは予想出来ていたので先に常連さんに渡ってもらい一番最後に渡ったのだが。





とりあえず観測所の回りに荷物を固め釣りの準備を開始し始めた。


周りを見回すと全員フカセ釣りだったから、両軸タックルで遠投カゴ釣りをはじめた我々はかなり浮いていたことだろう。


っていうかアシカ島で両軸遠投カゴ釣りする人間て我々が初なんじゃないの・・・


ミヤナガ氏とわたしは両軸遠投カゴ釣り、OKN氏はフカセ釣りを開始した。





ポイントは北側しか空いておらず、陽に背を向ける形での釣りとなった。


期待に胸を膨らませつつカゴを投げはじめたのだが、1投目にして不安材料が浮上してしまった・・・・


潮が異様に速い・・・


ウキの位置が投入してから凄い勢いで東に流れはじめたかと思うとフケをとって流している道糸も引っ張られるように流れてしまう。


同じポイントを狙っても数十秒と持たずに仕掛けのポイントが動いてしまう。


こりゃポイントどうこうの前に釣りにならんぞ・・・


またアシカ島の北側には根が点在しているようで棚が安定せず仕掛けが流れる間に針が根に着いている動きがあった。


恐らく水深もそこまで無いのだろう。





あれ、アシカ島って遠投カゴ釣り向いてないんじゃね?


早々にしてわたしは遠投カゴ釣りでの釣果を諦め始めていた。


南側では幸先よくクロダイのそこそこのサイズがあがっているようだ。


仕掛けを流すことに難儀していた我々はしばらく遠投カゴ釣りを続けたがまもなくしてタックルをしまってしまった。


アシカ島無理、遠投カゴ釣り。


こんなこともあろうかとフカセのタックルを持ってきていたのですぐに諦めがついたのかもしれない。


フカセのOKN氏は未だにウキが沈んでいないようだが・・・・


さてわたしはフカセ釣りをするのは久々なもので、タックルもちぐはぐ感が半端なかった。


離島の大型ウキ釣り向けに購入した磯竿3号に磯竿のリールシートギリギリのセルテートHD4000を無理やり取り付けたタックルだ。


離島の落とし込みとかウキ釣りなら心強いタックルだけど、磯の繊細なフカセ釣りに向いてるかと聞かれたら全くうなずけない。


軽い磯竿に激重のリールでフカセ釣りを開始すると、粘っていたミヤナガ氏も止む無くという形でフカセ釣りの準備を始めたようだ。


すぐに2Bウキに反応があって、上げてみると小さなカサゴ。


手前の根に小さいカサゴが群れているのか、餌を投入してもすぐにカサゴがアタックしてくる。


際を攻めると漏れなくカサゴが付いてくる。


かといって沖を攻めても何も反応が無い。


長らくフカセをやっているOKN氏の竿にもキープできる釣果は小型のメバルのみという渋い状況。


まわりでは朝イチであがったクロダイ以降は特に何か釣れている様子はない。


時たまアタリで竿を合わせる音がするが、みると小さいグレがあがっているようで目ぼしい釣果はでていない。


次第に太陽が昇り始めるとどの竿にもパッタリとアタリがなくなってしまった。


その後もしばらくフカセ釣りを続けたが釣れるのは小型のカサゴのみだった。


釣ってはリリースの繰り返しとなってしまった。


OKN氏はフカセで釣果が出ず、何を思ったか沸いていたボラの群れに針を投げ魚体に針を掛けて釣ろうとしていた。


こうなってくるともはや釣りの体を成していないのでは・・・


あきらめムード漂う中渋い状況が続き昼前に我々はほとんど釣りをやめてしまった。


沖磯で釣りを諦めるとなにもすることはない。


ただぼんやりと景色を眺めたり、寝たりしながら帰りの船を待つのみである。


昼過ぎは前日の疲れもあってわたしは平らな場所を陣取り潮風にあたりながら寝ていた気がする。





終わり際に動画を撮っていた時何気なく映った、我々とは別の常連らしき釣り人のバケツまわり。


小型のカサゴが数匹放置され干からびてころがっていた。


リリースすれば助かる命をこのように扱う行為は釣り人として最低の行為ではないだろうか。


釣果をあげていたようだが、こういう行為をする釣り人は釣り人としては最低だと思うのね。


人間が自分勝手に釣りで魚の住処に侵入しているのだから最低限釣れた魚はリリースして自然に戻すのが釣り人としてのマナーであり、基本だと思う。


同じ魚に変わりないのに、自分が狙っている魚ではないと扱いが変わるということはあってはならない。


フグや毒魚(ゴンズイやアイゴ)なんかもよく放置されている姿を目にするがちゃんとリリースしてくれることを切に願っている。





さて帰りの船の時間も近づき、我々は早々に帰りの支度を開始した。


しばらくすると船が接岸し、一斉に船に乗り込んだ。





行きとはうってかわって海が荒れており、うねりの中を進む船の船首から波飛沫がとび我々はびしょ濡れになりながら揺れに耐えていた。


沖堤防を経由し、船は発着地へと戻った。






今回は沖磯という好条件にも関わらずキープする釣果は得られずかなり渋い釣行になってしまった。


両軸遠投カゴ釣りで沖の深棚を狙うという計画が瞬時に頓挫してしまったのは明らかな情報不足によるものだったに違いない。


まぁ全体的に渋い状態だったからなんとも言えないけどね。


沖堤防のほうは何か釣れたんだろうか。


こうして初アシカ島釣行は幕を閉じた。







アシカ島釣行から数日経って、城ヶ島で財布を無くしたOKN氏から連絡があった。


どうやら無くした財布が三崎警察署へ届けられたと警察から連絡が入ったらしい。


財布とカード類は無事であったようだが、諭吉2枚のみしっかりと抜き取られていたようだ。


また発見場所が城ヶ島のトイレだったらしいのだが、我々はまったく立ち寄っていないので謎である。


おそらく磯を歩く途中で財布を落とし、誰かがそれを見つけて拾い、人目のつかないトイレで中身を確認して札だけ抜いて放置したのだろう。


札を抜かれたのはアレだけど、証拠隠滅に財布海に投げられなくてよかったよね。


どちらかというとOKN氏は財布そのもののを心配していたようだし。


しかし交番の人が城ヶ島で無くした財布は95%見つかるというのは本当だったのか・・・





色々あったけど終わりよければすべてよしってことでよかったよかった。






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